人前でアガラナイための技術

大事な時に限ってうまく話せない人のための
「人前であがらない技術」
(中経出版) [Kindle版] 西多 昌規著


上記書籍の案内を試みた記事を紹介します。


社会人であれば、初対面の人と話したり、人前で挨拶や
自己紹介をしたりという機会が増えますが、ほとんどの
人はこういった場面では多少の緊張を感じるものです。


適度な緊張ならいいのですが、緊張のあまり考えていた
ことや準備していたことを全て忘れてしまうようだと大
問題です。


そこで今回は『大事なときに限ってうまく話せない人の
ための 人前であがらない技術』から、人前で“アガッて
しまった時”に有効な応急処置を紹介します。


■筋肉にグッと力を入れて、緩める
緊張というと心の問題だと思われがちです。
しかし、心がリラックスできていない時というのは、知
らず知らずのうちに体の筋肉に力が入りすぎているもの。


従って、まずは筋肉をほぐしてあげることで、心のリラッ
クスにもつながります。
筋肉をほぐす時の基本は、一度体にグッと力を入れてから
脱力すること。


肩や首、あごなど、緊張によって凝り固まっていると感じ
た部位をこの方法で弛めてあげ、その感覚を体に繰り返し
経験させることで、リラックスした時の感覚が身について
いくことになります。


■意識的に動きをゆっくりにする

アガッている時は、交感神経が活発に働き、血圧や心拍数
を上げるアドレナリンや、恐怖や注意の神経伝達物質である
ノルアドレナリンの活動も活発になっています。


頭が真っ白になるくらい緊張している時などは、それらが
働きすぎて、体の機能が暴走している状態なのです。
これを少しでも鎮めるためには、全ての動作を意識して
遅くすることが重要です。


こうすることで交感神経のアクセルをゆるめることにつ
ながるのです。


緊張したら、意識してゆっくり歩いたり、ゆっくり話す
ようにすると、徐々にリラックスした状態に近づいてい
くはずです。


■あまりの緊張に手が震えてしまった時の対処法
プレゼンテーションやスピーチでありがちなのが、緊張
のあまり手が震えてしまうというもの。


手に持ったマイクが震えていると、聴いている人にも緊
張が伝わってしまいます。


この震えは、医学用語で「振戦」と呼ばれ、薬で抑える
ことができるのですが、ツボを刺激するのも効果的です。


掌のちょうど真ん中にある「労宮(ろうきゅう)」とい
うツボは、刺激すると不安や緊張が和らげる効果がある
ので、プレッシャーのかかる面接やプレゼンの前などに
試してみましょう。


緊張は多かれ少なかれ誰にでもつきまとう問題ですが、
度が過ぎた緊張で力が出せなかったり、失敗を繰り返し
てしまうようでは、せっかくの準備や努力も台無しです。


本書では、精神科医・医学博士である著者が緊張の仕組
みや、対処法、緊張しないための心構えを説いています。
「掌に“人”と書いて飲み込む」というような、おまじ
ない的なものではなく、科学的な視点で書かれており、
すぐに試せる方法も多いので、“アガり性”の人は過度
の緊張と折り合いをつける良いきっかけになるかもしれ
ません。



一般の人よりもはるかにアガリ性であることを自覚して
いる方は、既に本書を読んでいられることと思いますが、
そこまで症状がキツクないと思われる方には、ちょっぴ
り役立ったかも知れませんネ。