阿部捕手強行出場を志願

2日に開幕する第3回WBC日本代表の阿部慎之助捕手
(33)が1日、ブラジル戦(ヤフオクD)への強行出
場を志願した。


2月27日の練習中に右膝を痛め、28日の巨人戦を欠場。
開幕戦出場が危ぶまれたが、福岡市内で行われた全体練
習に合流。


フリー打撃も行い、驚異的な回復力を見せつけ、山本浩
二監督(66)に「いきます」と直訴。


指揮官は当日の状態を見て、起用を判断する。
戻ってきた。たった1日の休養で、阿部が帰ってきた。
痛めている右膝を気にすることなく、福岡市内の室内練習
場で行われた全体練習に合流。


下半身の細かな動きをするウオーミングアップも、淡々と
こなした。


心配そうに歩み寄ってきた山本監督に「大丈夫です」と笑
顔で返した。


不安を一掃した。
肝心のバッティング練習では、打撃投手を相手に初球から
シャープに、力強く振った。


右足、膝でグッとためをつくり、ねじる動きを難なくこな
した。
狭い空間に響く快音。


フルスイングから放たれる鋭い打球。
全52スイングの復活ショーだった。


試合を欠場した28日は代表辞退の可能性までささやかれ
ていた。


27日のウオーミングアップ中に右膝を負傷。
直後のフリー打撃では「ステップした時におかしかった。
右膝が開いてスイングにならなかった」というほどの、
実は重症だった。


そのセリフから2日。
「普通に打てたよ。思ったよりも全然いけたね。見ての
通りだよ」。


阿部の表情にも明るさが戻った。
練習後には指揮官に「いきます!」と2日のブラジル戦
出場を直訴するまで回復した。


宿舎での治療に充てた28日は、患部に注射を打ち、
マッサージを受けながら、テレビで巨人との強化試合を
観戦した。


自分がいない侍ジャパンは「やはり、気分のいいもので
はないよ」と、もどかしかった。


「何とかしたい」と、微弱電流治療器「アキュスコープ
&マイオパルス」と呼ばれる器具を発注。


キャンプ中に右膝を痛めた坂本が「まるで魔法のようで
した」と驚く効果があるアイテムをこの日までに宿舎に
取り寄せ、状態を上げる努力をしている。


不安げだった山本監督も「見た感じ、悪くなくて安心した。
打撃練習も、かなり力が入っていたな」とホッとした。


ただ、この日は守備練習がなく、捕手の細かな動きを確認
できなかったため、開幕戦スタメンに関しては「膝やから、
もう少し慎重に、明日じっくり考えたい。
マスクかぶるとなるとね。DHは考えられないこともない」
と話すにとどめた。


すべては、当日の状態次第になる。
慎之助は「万全の人、そうでない人もいますが、
チームのために自分が何をできるかを考え、明日から声
を掛け合って頑張っていきたい」と前を向いた。


たとえベンチスタートになっても、気持ちは一つ。
「フォア・ザ・チーム」の精神で、3連覇の偉業に臨む。


やはり、戻ってきた。周囲の心配をよそに、本人は元気
いっぱいの表情で復活をアピール。


こうでなくちゃ、流石侍ジャパンの主将。
本番での活躍とリーダーシップのお手本を見たい。







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