侍ジャパン 坂本復調

最後の最後で目覚めた。
強化試合最終戦。「1番遊撃」でスタメン出場した坂本
のバットが、やっと心地よい響きを奏でた。


5打数4安打2打点。
試合後のヒーローインタビューで背番号6は「本戦に入
ってもしっかり引っ張っていけるように、強い気持ちを
持ってやりたい」と、打線をけん引する覚悟を言葉にし
た。


右へ左へ中堅へ。見事に打ち分けた。
まずは第1打席。高木京の真っすぐを中前に運ぶ。
第2打席は凡退も、五回1死一塁では中前打でエンドラ
ンを決めて、好機を広げた。


そして六回2死満塁では三塁線を破る2点二塁打
八回1死一、二塁では右前打を放った。
好調時を思わせる鮮やかな打撃が戻ってきた。


ここまでは苦しんだ。
紅白戦を含めて実戦5試合で14打数1安打1打点。
当初は3番だった打順も、打線全体をシャッフルする中
で24日のオーストラリア戦(京セラドーム)から1番
に変わった。


実戦調整はこれが最後。
この試合は主将である阿部が右膝の違和感で欠場するア
クシデントもあった。
奮起する材料はそろっていた。そして見事に結果を出し
た。


「選手1人、1人が強い気持ちを持っています。
ファンの皆さんにも一緒に戦ってほしいです」。
坂本はこう締めた。
険しく、厳しい3連覇への道。この男なら、どんな時で
も突破口を開いてくれる。


この試合前に、WBC日本代表で主将を務める阿部慎之
助捕手=巨人=が、右膝の違和感で28日の強化試合・巨
人戦(ヤフオクドーム)を欠場することがチームから発
表された。


関係者によると、27日に行われた全体練習のアップ中に、
患部に違和感を訴えたという。
病院には行かず、この日は宿舎で静養した。


「4番捕手」で主将も務める阿部はチームの精神的支柱。
3月2日の1次ラウンド初戦・ブラジル戦が目前に迫っ
ており、患部の状態が心配される。


梨田野手総合コーチは「昼ごろ聞きました。
本人は『大丈夫』と言っていますが捕手にとって右膝は
大事なので、無理はさせません」と話した。



これは痛い!! 本番での実力発揮を待つ私等ファンに
とって、この知らせはかなりの衝撃を喰らったようなも
のだ。


ベストコンディションで本番に挑む事が何よりも望まれるの
に、これは安閑とはしていられない気分に陥った。


3連覇に向けた侍ジャパンの前に、いかにも暗雲が立ち込め
てきたようなものだ。


なんともなければ良いのだが。笑って過ごせることを祈りたい。







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