3人乗り自転車に潜む危険



三人乗り自転車に潜む危険
川崎市で母子3人が乗った自転車が転倒し、5歳の女児
がトラックにひかれて死亡した事故を機に、自転車の「3
人乗り」の安全性に改めて関心が高まっている。


安全基準に適合した自転車に限り、6歳未満の幼児2人
まで乗せることができるが、適合自転車は高価なことも
あって一般の自転車に乗せる親も多く、人身事故も後を
絶たない。


幼子から目を離せない親にとって、3人乗りは危険と隣
り合わせだ。


 ◆転倒

川崎市の事故は、今月4日朝に起きた。
5歳と1歳の娘2人を乗せた30歳代の母親運転の自転
車が、踏切手前で転倒。


後部座席の長女が、止まっていたトラックの前輪と後輪の間に
投げ出され、発進したトラックの後輪にひかれた。


母親は次女を保育園に送る途中。
自転車は3人乗り用の安全基準を満たしていたが、長女
はシートベルトを着けていなかったらしく、母親は「前
から来た自転車をよけようとして転倒した」と話したと
いう。


 ◆高いニーズ

自転車の3人乗りが認められたのは2009年7月。
都道府県の公安委員会規則で禁止されていたが、買い物
や幼稚園の送迎などに必要な子育て世代の要望に応えた。


一般社団法人「自転車協会」(東京)と「製品安全協会」
(同)が、十分な強度があり、走行時や駐輪時の安定性
に優れるなどの基準を満たす自転車を認証。
6歳未満を2人まで乗せることができる。


各地の自治体が行う3人乗り自転車の貸し出しには、申し
込みが相次ぐ。


兵庫県川西市が昨年、30台分を募集したところ、約11
0人から申し込みがあった。


奈良県生駒市も年間60台を貸し出すが毎回、抽選になる
人気ぶり。


販売価格が5万円前後から十数万円と高いこともあり、
市の担当者は「3人乗りが必要な期間は限られており、
貸し出しのニーズは高い」と話す。


一方で、事故も多発している。
警察庁によると、3人乗り中の事故で負傷した同乗者
は、一昨年で311人。


うち約8割が5歳以下で、死者も2人出ている。
また大阪、京都両府警の調べでは、けが人を伴う事故は
昨年、大阪で62件、京都で5件が起きている。


三人乗り自転車とは、便利さと安全性との何処に接点を
見い出すのか。


貴方は安全性を重視して、三人乗り自転車を使用しませんか?
いや、便利さを優先して、三人乗り自転車を使用しますか?


三人乗り自転車に関する市民意識レベルでのアンケート調査
は、ないものだろうか。






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