強化合宿において各競技暴力行為はなかったとJOC発表

日本オリンピック委員会JOC)は8日、指導現場におけ
る暴力の有無を把握するため、五輪競技の加盟団体を調
査した結果、対象となった31団体(全日本柔道連盟と加
盟資格停止中の日本クレー射撃協会を除く)全てが暴力
はなかったと回答したと発表した。


JOCは、柔道の日本代表を含む女子15選手が監督らの暴力
を告発したことを受け、調査を7、8日に実施。


選手強化担当の福井烈理事、平真事務局長らが各団体の
強化責任者と個別に面接し、ロンドン五輪までの4年間に、
代表レベルで指導者の暴力やパワーハラスメント行為が
あったかどうかを尋ねた。


調査終了後に記者会見した福井理事は「31団体全て、
(暴力は)一切ないとの答えをいただいた」と話した。


市原則之専務理事は「2日間で何が分かると思われるだ
ろうが、真剣にこの問題に取り組むJOCの姿勢を強化担
当者に見せた」と説明し、「体罰という言葉が死語にな
るようにしたい」と述べた。 




別の観点からの指導論を展開している人を次に紹介したい。



大阪・桜宮高バスケ部員自殺に端を発し、柔道日本女子
代表監督の辞任騒動など、いま世間では体罰・いじめ問
題が大きな論争を呼んでいる。


こうした中、楽天星野仙一監督(66)が一連の騒動
以来初めて自身の考えを激白した。



かつては「鉄拳制裁」がトレードマークでもあった闘将は
今後、厳しい指導ができなくなるであろう状況に“事な
かれ主義指導者”が増えることを危惧。



いじめ問題についても「すべては幼児教育なんだ」と持
論を展開した。



「最近はテレビも新聞もええニュースがないなあ。どこ
見ても体罰・いじめや…」



春季キャンプのため沖縄・久米島で過ごす星野監督は順
調な調整を進める選手たちに目を細める一方、今や社会
問題となっている「体罰・いじめ」について自ら口を開
くと急に顔をしかめた。



では、この問題をどう考えているのか――。「柔道界の
こともよくわからんし、これはオレの考えだよ」と前置
きした上で次のように続けた。


「『体罰だ!いじめだ!』と言うけど、選手なんかは指
導者から言われるうちが花やないか。
それだけ親身になってくれているということ。


このままじゃ指導者はどんどん“事なかれ主義”になって
いくぞ。
何かあっても『私は関係ありませ〜ん』だよ。


ただ、死んだら(選手が自殺を選ぶほど体罰をしたら、
その指導者は)負けよ。それはアカン!」


選手を自殺に追い込むほどの体罰は絶対に起こしてはな
らない。
だがその半面、今回の騒動で指導する側の肩身が狭くな
っていくことが予想されるため、問題が起きた場合でも
そっぽを向く無責任な指導者が今後増えていくことを懸
念しているという。


「鉄拳制裁」でも知られる星野監督だが、特に血気盛ん
だったと言われる中日時代を知る球界OBも「『おまえ
の顔の形、変えたろか!』と怒られるんだよ。
実際にボコボコになった選手もいた。


でも、それは期待されている選手だけだったし、理不尽
ではなかった。
その後のフォローもちゃんとあったしね」と打ち明ける。


現代には“喝”の入れ方もわからない指導者が多いこと
に、日本一の熱血指導者は寂しい思いを巡らせているよ
うだ。


さらに話は、いじめ問題にも及んだ。「一番怖いのは、
いじめがあったことを生徒にアンケート取って、生徒た
ちが『いじめを目撃した』と答えていることだよ。


なんで止めないんだよ。止めたら、いじめの標的になる
から?じゃあ、みんなで一緒に、大人数で止めたらええ
やないか」


いじめによる自殺問題では、いじめに気づかなかった学
校側の責任が問われる事例が多い。


この点についても星野監督は首をかしげる
「すべては幼児教育なんだよ。親が、ちゃんと教育せい!
学校にいるより、家にいる時間の方が長いんだよ? 


いじめない子供に育てるのもそうだけど、いじめられて
いる側の親が子供の異変に気づかないのも問題。



(親子の会話があれば)自殺は食い止められるんじゃな
いかな」仮にプロ野球選手になっていなかったら「教師
の道を選んでいた」とも語る星野監督。これが「闘将の
教育理論」だ。



教育論・指導論には、奥が深く簡単には結論を出せるも
のではないが、色んな観点から論議を深めていくこの過
程が宜しいのではないだろうか、中々に一刀両断的回答は
見出せないのではなかろうか。




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