瓦版斜め読み(さすがG大阪)

天皇杯準々決勝(23日、C大阪1−2G大阪=延長、長居競
技場)再三の決定機をものにできなかったG大阪に延長後半7分、
待望の勝ち越し点が入った。


遠藤のFKをどんぴしゃりのタイミングで合わせたのは途中出
場の家長。

「ヤット(遠藤)さんはいつもいいボールを蹴ってくれる。
狙い通り」。

ゴール前の密集をこじ開け、頭でゴールネットに突き刺した。


J1最終節、自力で残留を決めたC大阪と、初のJ2降格という
憂き目にあったG大阪。


明暗が分かれた“大阪ダービー”で、リーグ戦とは見違えたサ
ッカーを披露したのは後者だった。


持ち前の攻撃力もさることながら、際立ったのが今季65失点
と崩壊した守備の改善だ。


センターバックの今野がボランチに、ボランチの遠藤が2列目
に入ることで中盤の守備に厚みが増した。


とりわけ目立ったのは今野の献身だろう。
明神や遠藤、最終ラインと連係し、“傷口”が広がる前にこと
ごとくピンチの芽を摘んでいく。


DF中沢は「たとえようのない守備範囲の広さ」とうなり、
松波G大阪監督も「攻守にわたって能力が高い」と自分のチー
ムを持ち上げた。


ただ、当の本人は意外にも渋い表情だ。
内容では圧倒しながら、延長までもつれ込んだのがいただけな
いようで「リーグ戦だったら勝ち点1。


うれしさはあるけれど、反省するところはしないと…」。
アジアチャンピオンズリーグの出場権を得るまであと2勝。


まだ、気持ちを緩めるわけにはいかない。


前J1清水監督の長谷川健太氏(47)の新監督就任が決定的
となっている中、松波正信監督(38)は優勝で“花道”を飾
る決意を改めて示した。


さすがG大阪、実力的には、計り知れないものを秘めているこ
とを、ここにきて、示してくれたようだ






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