水について
日本は水道水が飲める素晴らしい国。
けれども、浄水器が販売されているし、スーパーでは飲料水の無料
提供サービスをしています。
また、多くの種類のミネラルウォーターも販売されていますよね。
私たちはどこまで水に気をつければよいのでしょうか。
成分や味はそんなに異なるものなの?
水の安全度や成分、水を利用するときの注意点について、伊勢神宮
のみそぎ川「宮川」の湧水、天然水アクアセレクトを販売している
竹本大輔さんにうかがいました。
●水を飲むことが大切
――健康によい水と悪い水はあるのですか?
「日本においては、体に悪い水はまずないと思います。
水道水であれ、天然水であれ、ミネラルウォーターであれ、水を飲
むことが大切。
水を飲むことが健康によいのです。
人間の体は、成人で60〜65%、赤ちゃんで75%は水でできていますから、
毎日1.5〜2リットルくらいは摂取したほうがよいと言われています」
――水を飲むことが大切なのですね。
でも、2リットルも飲むのは難しそう。
「私の場合は、まず朝起きたらコップで2杯飲みます。
起きた後は長時間水分を摂っていないので、体が水分を欲している
のです。
その後も、1、2時間に1回くらいは水を口にしていますね。
水を飲む習慣がつくと、細胞が乾燥した状態に敏感になるので、自
然と水を飲みたくなるのです」
――体に悪いまではいかなくても、「どうせ飲むならこの水の方が
健康によい」とかもないのですか?
「健康に良い、悪いはありません。
正直、味の好みの問題だと思います。
味が気にならなければ、成分的な細かい違いはありますが、水道水
でも、浄水器の水でも、硬水でも軟水でもよい気がします。
『○○の方が健康によい』と実証されたものはありません」
●ミネラル摂取を水に頼らない
――料理がおいしくなる水はあるのですか?
「軟水・硬水ということでしたら、お茶・コーヒー・お出汁・魚・
ご飯など、ほとんどの場合は軟水のほうが、味がよく出ます。
日本の水は軟水ですので、日本で採れた食物を調理する場合は、まず
軟水でしょうね。
ちなみに、肉を長時間煮込む場合は、硬水のほうがおいしくなると
言われています。
硬水は、カルシウムやマグネシウムを大量に含んだ水で欧米の水に
多いですね」
――硬水・軟水もですが、水によって栄養素が異なりますよね。
例えば、ミネラル不足が気になる方は、ミネラル含有量の多い水を
選んだほうがよいのでしょうか?
「その考え方も否定しませんが、水の種類によるミネラル量の差は
微々たるもの。
水をミネラル摂取する手段として考えず、ミネラルはきちんとバラ
ンスのよい食事で摂っていただければと思います」
●水は、開けたらその日のうちに
――水の賞味期限はあるのですか?
「冷蔵庫などで保管しない場合、ペットボトルなど販売されている
水は『開けたらその日のうちに』が基本です。
ペットボトルに直接口をつけて飲むと、雑菌が繁殖しやすいので、
注意してくださいね。
できればコップなどに水を移したほうがよいと言われています」
――素朴な疑問なのですが、水を買ったほうがよい理由はあるのですか?
「水を飲む習慣がつくことが一番だと思います。
とにかく、水をしっかり飲んでいただきたいのですが、私たちはな
かなか水を飲まないですよね。
でも、水を購入すれば、自然と水を飲む習慣がつきます。
その水がおいしければ余計そうでしょう。
手前味噌で恐縮ですが、お客さまから、『水がおいしいから子どもが
ジュースではなく水を飲むようになった』と言ってもらうこともあります」
とにかく水を飲むことが大切なのですね。
なるべく水を飲むように心がけたいと思います。
竹本さん、どうもありがとうございました。
わが国でも水に対する関心が、私も含めて急速に高まってきたよう
な感じがします。
このことは、水に対する関心というよりも、健康に対する関心が水に対する関心もこれに付随して高まったのではないでしょうか。
家臣が高まって合理的な使用を心がけることはいいのですが、度が
過ぎて余りにも神経質になるのもどうかと感じます。
おいしい水を飲むことを心がけるならば、美味しい水を湧出する環境作りに意を注いだ方が優先されるべきと私は思います。
水を摂るというと、コーラ・ジュース類に手を伸ばす人が多いので
すが、これらはいずれも水分であって水そのものではありません。
このことを混同している方達がかなり多いのではないでしょうか。
水そのものには、無味、無臭であり、刺激も色もありません。
長期間にわたって飲むものには、特別なものでもなんでもないのが、
真に真水即ち「水」と呼べるものではないでしょうか。
