WBC最終メンバー発表

会見場にはテレビカメラ13台が並び、集まった報道陣
は100人を超えた。
山本監督は姿を見せると、まずその数に驚いたが、すぐ
に真顔になり、28人の最終登録メンバーを力強く読み
上げた。


「毎日のようにスタッフとミーティングをしまして、色ん
なことを想定しながら今日まで悩みました。


非常につらい選択だった。(落選した選手には)何かあ
ればすぐはせ参じてほしいという気持ちを伝えました。
外れた5人も侍ジャパンの一員です」


連日、食事を首脳陣で取り、その後は監督の自室へ。
深夜にまで議論が及んだこともある。
この日も紅白戦後、すぐに宿舎へ戻り、ミーティングに
入った。


そして、大部屋に山本監督以下、6人のコーチが並び、
落選した5人を同時に呼んだ。
戦略上の点から外したこと、そして28人にアクシデン
トが出た場合は追加招集することを告げた。


最後に力強い握手で選手を送り出した。


投手は右肩の張りで登板できなかった浅尾、
紅白戦も含め2試合連続失点の山井が外れた。
野手については「(内外野で)12人しかおらず、頻繁に
選手を代えることはできない。
試合後半になっての戦い方を考えた」と説明した。


(1)国際大会で、控えは代走よりも代打を使うケースが多い

(2)外野陣は長野、糸井、内川とフル出場が予想される――
   この点から聖沢、大島の昨季セ・パの盗塁王の外野
   手を外した。
   村田は「右の大砲」という点で中田とかぶる。
   一塁も守れる中田を優先した。結果的に体調に不安
   の残る選手が外れた。


最終登録メンバー28人は決まった。
山本監督は「3月2日の1次ラウンド初戦にピークにもって
いけるように。
心を一つにして戦っていこう」と呼びかけた。


本大会まで4試合の実戦を経て開幕を迎えるが、問題は山積だ。
効果的に得点できる打順や、抑え投手の確立。
さらに先発陣も前田健が右肩に不安を抱える。
過去2大会に比べても、選手の状態が良いとは言えない。
指揮官がいかにチームを上昇気流に乗せるか。本当の勝負
が始まる。

◆最終登録メンバー
▽監督・コーチ
山本浩二、 東尾 修、 梨田昌孝、与田 剛、立浪和義
高代延博、緒方耕一橋上秀樹

▽投手
涌井秀章(西武) 能見篤史阪神) 沢村拓一(巨人)
今村猛(広島) 田中将大楽天) 杉内俊哉(巨人)
前田健太(広島)森福允彦ソフトバンク内海哲也(巨人)
大隣憲司ソフトバンク牧田和久(西武)山口鉄也(巨人)
 摂津正ソフトバンク

▽捕手
相川亮二(ヤクルト)阿部慎之助(巨人)炭谷銀仁朗(西武)

内野手
鳥谷敬阪神井端弘和(中日)松田宣浩ソフトバンク
坂本勇人(巨人)松井稼頭央楽天稲葉篤紀日本ハム
本多雄一ソフトバンク

▽外野手
糸井嘉男オリックス中田翔日本ハム内川聖一(ソ
フトバンク) 長野久義(巨人) 角中勝也(ロッテ)


さあ、WBC本番も間近。
選手の奮闘ぶりをしっかり見つめよう。





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