噂雀のオシャベリ 二所ノ関部屋 歴史に幕

大相撲の二所ノ関部屋初場所(13日初日・両国国技館)を
最後に閉鎖されることを受け、現役時代に同部屋に在籍し歴代
1位の優勝32回を記録した元横綱大鵬納谷幸喜さん(7
2)が10日、都内で「わびしいし、さみしい」と無念を吐露
した。



1956年秋の初土俵から71年夏の引退まで汗水流した部屋
の消滅。
昭和の大横綱は、将来の再興を強く願っていた。



納谷さんから横綱に育ててくれた部屋への愛と、やり切れない
思いがあふれた。



東京・江東区の自宅。
病気療養中で体調も優れない中、ゆっくりと口を開いた。



「驚いた。ここまで続いてきたのに。
いろいろな方々で築いてきたものがなくなるのは、わびしいし、
さみしい。人生いろいろあるが何とも言えない」。



横綱玉錦ら名力士を輩出してきた古巣の消滅。
師匠の二所ノ関親方(元関脇・金剛)の頭部疾患による長期療
養というやむを得ない事情もあるが、厳しい現実に沈痛な表情
を浮かべた。



入門当時、二所ノ関部屋の稽古は角界一厳しいと言われた。
必死に歯を食いしばり横綱に昇進すると、数々の記録を打ち立
てた。



「いろんな苦労もした」と振り返り「時代の流れといえばそれ
までだが、そうと言い切れないものがある。


一門の力でもう一回、再興して欲しい」と名門復活を切に願った。



納谷さんが行く末を心配する部屋は、所属する三段目以下の力
士3人は引退する見込み。



二所ノ関親方、北陣親方(元関脇・麒麟児)、湊川親方(元小
結・大徹)、行司、床山の5人は松ケ根部屋へ転籍する。



師匠を除く4人はこの日、千葉・船橋市に足を運び、松ケ根
親方(元大関若嶋津)に挨拶をした。



もう一人の部屋付き親方の富士ケ根親方(元小結・大善)は、
大阪でのイベントに参加した。

「師匠のことを考えると涙が出る。
(11月の)定年まではと思っていたので」と話した。


同親方には、出羽海一門春日野部屋への転籍が浮上している。
二所ノ関一門は近日中に一門会を開き、一門の名称変更などを
協議する。


数々の名力士を生んだ名門は初場所後、ひとまず歴史に幕を閉
じる。



私も大鵬関に代表されるように二所一門の力士が角界で、
華々しく活躍していた頃を知っている。



昔は「巨人・大鵬・卵焼き」といわれるように、当時の子供達
が好きなものの代名詞であり、この頃には巨人のONも健在で
あった。



一抹の寂しさを覚えるのは元大鵬関だけであろうか。







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