9月1日

今朝は、暦での月が変わったただけなのに、一日違いですっかり涼しくなっていた。
これから秋本番となっていくのであろう。

厳しい暑さから逃れられるということは、確かにありがたいことではあるが、時の経過の速さには些か戸惑いを感じる。

これも年齢がなせる仕業であろう。

若い頃に習った古歌では、秋の侘しさを綴った歌集が数多くあった記憶があるが、実感としてその侘しさを理解できるようになったのは、これも加齢のせいであろう。

こうなったら、意地からでも空元気出して、「食欲の秋」「読書の秋」と強弁して己を奮い立たせていこうではないか。
それにつけても金の欲しさよ

なんとも締まらない秋の述懐となってしまったものよ。
口直しに、秋に纏わる俗歌でも綴って茶を濁しておこう。

「秋深し隣は何をする人ぞ」
「しらたまの歯にしみとおる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり」
「幾山河 こえさりゆかば さびしさのはてなん国ぞ きょうも旅ゆく」